【精神科在宅訪問診療】東京23区、埼玉県南部|さくらひだまり訪問クリニックさくら訪問クリニック

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発達障害

発達障害について

 

― 「生きづらさ」が続くときは ―

 

発達障害は、生まれつきの脳の特性によって、物事の感じ方や考え方、行動のしかたに特徴があらわれる状態です。

子どもの頃からみられることが多いですが、大人になってから「なぜか人間関係がうまくいかない」「仕事でミスが多い」「強い疲れや生きづらさを感じる」といったことをきっかけに気づく方も少なくありません。

発達障害は、本人の努力不足や性格の問題ではありません。
特性を理解し、環境を整え、必要な支援を受けることで、生活しやすくなることがあります。

 

🩺 発達障害の主なタイプ

 

ADHD(注意欠如・多動症)
集中が続きにくい、忘れ物が多い、落ち着かない、衝動的に行動してしまう

ASD(自閉スペクトラム症)
対人関係が苦手、こだわりが強い、予定変更が苦痛、感覚の敏感さがある

SLD(限局性学習症)
読み書きや計算など、特定の学習に困難がある

 

※ 実際には複数の特性が重なっていることもあります。

 

 

🌿 当院でできること

 

・医師による丁寧な診察・ご相談

・発達特性の評価と診断サポート

・困りごとに応じた治療・お薬の調整(必要な場合)

・ご本人様、ご家族、支援者様への説明・助言

・訪問診療による継続的なフォロー

・医療福祉サービスとの連携(自立支援医療、訪問看護、相談支援など)

 

 

🚗 訪問診療でのサポート

 

外出への負担が大きい方、人混みや環境変化が苦手な方には、医師がご自宅までお伺いします。

慣れた環境の中で安心して相談しやすく、ご本人の普段の生活の様子も踏まえて診療を行うことができます。

生活リズムの調整や、ご家族の対応方法についても一緒に考えていきます。

 

 

🌈 一人で抱え込まずに、ご相談ください

 

「どうして自分だけうまくできないのだろう」
「周囲に理解されず、つらい」

 

そんな思いを抱えている方も少なくありません。

発達障害は、特性を知り、支え方を見つけることで生きやすさにつながります。


あなたらしく生活できるよう、一緒に考えていきます。

発達障害(神経発達症)の概要

 

発達障害とは、生まれつきの脳の働き(中枢神経系)の微細な違いにより、幼児期から行動や情緒、認知の偏りが現れる状態を指します。親の育て方や本人の怠慢が原因ではありません。多くの場合、複数の特性がグラデーションのように重なり合って存在します。

 

主な分類は以下の通りです。

疾患・特性名 主な特徴と症状
自閉スペクトラム症(ASD) コミュニケーションや対人関係の形成に困難さを抱えやすく、特定の興味や手順への強いこだわり(限局された反復的な行動)を持ちます。また、聴覚や触覚などの「感覚過敏」または「感覚鈍麻」を伴うことが多くあります。
注意欠如・多動症(ADHD) 年齢に見合わない「不注意(忘れ物が多い、集中が続かない)」、「多動性(じっとしていられない)」、「衝動性(思いつくとすぐ行動してしまう)」が特徴です。
限局性学習症(SLD) 知的な遅れや視覚・聴覚の障害がないにもかかわらず、「読む」「書く」「計算する」などの特定の学習能力の習得と使用に著しい困難を示します(ディスレクシア、ディスカリキュアなど)。

 

検査と診断のプロセス

 

発達障害の診断は、単一の検査結果だけで下されることはなく、生育歴の聴取や行動観察、心理検査を総合して行われます。

 

1. 医療面接(問診)と生育歴の確認

医師がご本人様やご家族様から、幼少期からの行動の様子、学校や職場での困りごとを詳しく聞き取ります。母子手帳や過去の通信簿などが重要な判断材料となります。

 

2. 心理検査・知能検査

本人の得意・不得意(認知の凸凹)を客観的に把握し、適切な支援策を立てるために実施されます。

 

・知能検査(WAIS-IV / WISC-V)

言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度の4つの指標から、脳の情報処理の特性を数値化します。

・特性に特化した検査

ASDのスクリーニング検査(AQ、PARS-TR)や、ADHDの評価尺度(CAARS、Conners)などが用いられます。

 

3. 診断基準(DSM-5-TR / ICD-11)

アメリカ精神医学会の「DSM-5-TR」などの国際的な診断基準に基づき、その特性が幼少期から存在していること、そして現在の日常生活や社会生活に明らかな支障をきたしていることを条件に診断が確定します。

 


 

治療とアプローチ

 

発達障害の治療は、特性そのものを「治す(無くす)」ことではなく、特性による生活上の困難を減らし、本人の適応力を高めることに主眼が置かれます。

 

1. 環境調整と心理社会的支援

最も重要かつ基本となるアプローチです。

 

・ソーシャルスキルトレーニング(SST)

対人関係の築き方や、暗黙のルールを具体的に学びます。

・認知行動療法(CBT)

二次障害として合併しやすい不安やうつに対して、ストレスへの対処法(コーピング)を身につけます。

 

2. 薬物療法

主にADHDの症状(不注意、多動、衝動性)に対しては、脳内の神経伝達物質(ドパミンやノルアドレナリン)の働きを調整する薬(コンサータ、インチュニブ、ストラテラなど)が有効な場合があります。ASDに対する根本的な治療薬はありませんが、パニックや易怒性(怒りっぽさ)を和らげるために薬が処方されることがあります。

 


 

療養上の注意点(ご本人様・ご家族様向け)

 

二次障害の予防

特性を理解されないまま「努力不足」と叱責され続けると、自己肯定感が低下し、うつ病や不安障害、不登校などの「二次障害」を引き起こすリスクが高まります。早めに特性に気づき、過剰なストレスを避けることが最優先です。

 

・「できること」にフォーカスする

苦手なことを克服させるよりも、本人の得意なことや興味がある分野を伸ばすアプローチが、長期的な自立と安定に繋がります。

・感覚過敏への対策

聴覚過敏にはノイズキャンセリングイヤホン、視覚過敏にはサングラスを利用するなど、物理的に刺激を遮断するツールを積極的に活用してください。

 


 

周囲の方の適切な対応法

 

周囲が特性を「個人の性格」ではなく「脳の認知の仕組みの違い」として理解し、合理的な配慮を行うことが重要です。

 

・視覚的なコミュニケーション

ASDやADHDの特性がある方は、口頭での曖昧な指示(例:「適当にやっておいて」「なる早で」)を理解するのが苦手です。図やメモを用いた視覚的な指示や、「明日の15時までに、このフォーマットで」といった具体的で明確な指示を心がけてください。

・構造化された環境づくり

集中力を維持しやすいよう、職場のデスク周りをパーテーションで区切る、物の置き場所を明確にラベリングするなどの工夫(構造化)が有効です。

・クールダウンの場所と時間の確保

パニックになった際や感覚的な疲労が溜まった際に、一人で静かに休める場所と時間を確保してあげてください。

 


 

利用可能な福祉サービスと支援制度

 

診断を受けることで、様々な公的支援を活用して生活の質を向上させることができます。お住まいの地域の窓口で具体的な相談が可能です。

 

1. 医療費の軽減と経済的支援

 

・自立支援医療制度(精神通院医療)

指定医療機関での精神疾患(発達障害を含む)の通院治療費や薬代の自己負担額が原則1割に軽減されます。

・障害年金

障害の程度が認定基準に該当する場合、生活を支えるための年金を受給できます。

 

2. 手帳の取得

 

・精神障害者保健福祉手帳

障害者雇用枠での就労、税金の控除、公共交通機関の割引などのサービスが受けられます。

・療育手帳(東京都では「愛の手帳」)

知的障害を伴う場合に取得可能で、より手厚い福祉サービスを受けることができます。

 

3. 就労・生活支援サービス

 

・就労移行支援

一般企業への就職を目指し、職業訓練や就活サポート、就職後の定着支援(最長2年)を提供します。

・発達障害者支援センター

ご本人様やご家族様に対する、日常生活や仕事に関する総合的な相談窓口です。

 


 

発達障害の特性は十人十色であり、ご自身の凸凹の形を正確に把握することが、生きやすさを手に入れるための第一歩となります。