【精神科在宅訪問診療】東京23区、埼玉県南部|さくらひだまり訪問クリニックさくら訪問クリニック

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PTSDについて

PTSD

 

― トラウマの痛みを癒やし、安心を取り戻すために ―

 

「突然、過去の恐ろしい出来事がフラッシュバックする」

「事件や事故を思い出すような場所やニュースを極端に避ける」

「常に気を張っていて、少しの物音で激しく驚いてしまう」

「夜、怖い夢を見て何度も目が覚める」

 

命の危険を感じるような強烈な体験(事故、災害、暴力、虐待など)をした後、その記憶が心に深い傷(トラウマ)として残り、長期間にわたって心身に影響を及ぼすのが「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」です。

 

🩺 PTSDの主な症状

 

・再体験(フラッシュバック)

トラウマ体験が、突然鮮明な記憶や夢として蘇る

・回避

原因となった出来事を思い出す場所、人、状況を無意識に避ける

・過覚醒

常に危険が迫っているように警戒し、イライラしたり眠れなくなったりする

・認知と気分の陰性変化

自分や世界に対して否定的な思い込みを持つ、感情が麻痺する

 

🌿 当院でできること

 

・患者様が「ここは安全だ」と感じられる環境づくりと関係性の構築

・不眠や強い不安、過覚醒状態を和らげるためのお薬の処方

・トラウマに配慮したケア(フラッシュバック時の対処法のアドバイスなど)

・安心できる日常生活を取り戻すためのペース配分や環境調整

・必要に応じた専門的なトラウマ治療機関や心理カウンセリングへの繋ぎ

 

🚗 訪問診療のメリット

PTSDの影響で外出すること自体に強い恐怖を感じたり、電車などの密室がフラッシュバックの引き金になることがあります。 ご自宅という「安全基地」に医師が訪問することで、外出によるパニックのリスクを避け、リラックスした状態で診察に臨むことができます。

 

🌈 ご家族様、支援者様へ

突然取り乱したり、人が変わったように怒りっぽくなったりする姿に、ご家族も戸惑いや恐怖を感じることがあるかもしれません。 これらはご本人の性格の問題ではなく、「トラウマに対する脳の正常な防衛反応」が過剰に働いている状態です。腫れ物のように扱うのではなく、「あなたはもう安全だよ」と穏やかに伝え続けることが、回復への大きな支えとなります。

 

 

外出の不安や刺激を避け、一番安全なご自宅での治療を

 

PTSDを抱える方にとって、外の世界は予期せぬ刺激にあふれており、通院そのものがフラッシュバックの引き金になる不安を伴うことがあります。さくらひだまり訪問クリニックの訪問診療では、あなたが最も「安全だ」と感じられるご自宅の空間で治療を受けることができます。決して急がず、あなたのペースを最優先にしながら、トラウマの痛みを癒やし、安心できる日常を少しずつ取り戻すお手伝いをさせてください。

【PTSDの概要】

1. PTSD(心的外傷後ストレス障害)の概要と主な症状

 

事故、自然災害、暴力、犯罪被害、虐待など、命の危険を感じるような強烈で衝撃的な出来事(トラウマ/心的外傷)を体験、あるいは目撃した後、その記憶が心に深い傷として残り、長期間にわたって日常生活に重大な支障をきたす精神疾患が「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」です。

 

時間が経過しても心の傷が癒えず、自分の意志とは無関係に当時の恐怖が蘇ってしまうため、ご本人は常に「今も危険が迫っている」かのような極度の緊張状態を強いられます。DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル)に基づく代表的な症状は、以下の4つのグループに分けられます。

症状の分類 主な症状と特徴
再体験(フラッシュバック) トラウマとなった出来事の記憶が、突然、非常に鮮明な映像や感覚として蘇る症状です。悪夢として繰り返し見ることもあり、パニックや過呼吸を伴うことがあります。
回避(避ける行動) 辛い記憶を呼び起こすような場所、人、状況、会話などを無意識に、あるいは意図的に極端に避けるようになります。(例:事故現場に近づけない、関連するニュースを見られない等)
過覚醒(常に張り詰めた状態) 危険に対して神経が過敏になり、常に警戒している状態です。些細な物音で激しく驚く、イライラして怒りっぽくなる、極度の不眠に悩まされるなどの症状が現れます。
認知と気分の陰性変化 「自分は悪い人間だ」「世界は危険に満ちている」といった否定的な思い込みが強くなります。また、幸福感や愛情などのポジティブな感情が麻痺し、他者から孤立しているように感じます。

2. 検査と診断のプロセス

 

PTSDの診断においては、トラウマ体験を根掘り葉掘り聞き出すことは二次受傷(フラッシュバックの誘発)のリスクがあるため、ご本人の負担にならないペースで慎重にアセスメントを進めます。

 

① 医療面接(問診)とトラウマの評価

 

・トラウマとなる出来事(生死に関わる脅威)への曝露があったかを確認します。

・上記の4つの症状群(再体験、回避、過覚醒、陰性変化)が1ヶ月以上持続しており、社会生活や職業機能に重大な障害をもたらしているかを評価します。(1ヶ月未満の場合は「急性ストレス障害(ASD)」と診断されます)

・CAPS(PTSD臨床診断面接尺度)やIES-R(改訂出来事インパクト尺度)といった専門的な心理検査を用いて、症状の重症度を客観的に測定することがあります。

 

② 器質的疾患や合併疾患の除外

事故による頭部外傷の後遺症(高次脳機能障害など)が疑われる場合は、頭部MRIやCT検査を行います。また、辛さを紛らわすためのアルコール依存症や、重度のうつ病などを合併していないかを専門医が見極めます。

 

3. 専門的な治療法と処方薬

 

PTSDの治療は、「トラウマの記憶を消すこと」ではなく、「トラウマの記憶があっても、今は安全に生きていける」という感覚を取り戻すことを目標とします。

 

① 安全な環境の確保(最も重要)

現在進行形でDVや虐待などの脅威に晒されている場合は、治療の前に、まず行政機関等と連携して物理的な安全を確保することが絶対条件となります。

 

② 薬物療法(症状の緩和と土台作り)

トラウマそのものを消去する薬はありませんが、過覚醒やフラッシュバックによる強烈な不安、不眠、うつ状態を和らげるために薬物療法を行います。

 

・抗うつ薬

パロキセチン(パキシル)やセルトラリン(ジェイゾロフト)などが適応が通っており、PTSDの第一選択薬として推奨されています。その他の抗うつ薬でも同等の効果が期待できます。不安や気分の落ち込みを改善し、心理療法に取り組むための心の土台を作ります。

 

・睡眠薬/抗不安薬:

悪夢や不眠、パニック発作に対して対症療法として使用します。

 

③ 専門的な心理療法(トラウマへのアプローチ)

安心できる治療関係と薬物療法で状態が安定してきたら、トラウマに焦点化した心理療法(持続エクスポージャー療法:PE、眼球運動による脱感作と再処理法:EMDR、トラウマフォーカスト認知行動療法:TF-CBTなど)を検討します。当院では、必要に応じて専門の心理士やトラウマ治療専門機関へのご紹介・橋渡しを行います。

4. 療養上の注意と周囲のサポート

 

PTSDの回復には、「ここは安全だ」と脳に再学習させる日々の積み重ねが重要です。

 

① ご本人へ:「今、ここ」に戻るグラウンディング技法

フラッシュバックが起きそうになった時、意識を過去の恐怖から「現在の安全な現実」に引き戻すテクニック(グラウンディング)が有効です。

 

・五感を使う

冷たい水を飲む、氷を握る、ミントのガムを噛む、アロマの香りを嗅ぐ。

5-4-3-2-1法

周りにある「見えるものを5つ」「触れるものを4つ」「聞こえる音を3つ」「匂いを2つ」「自分のいいところを1つ」数え上げる。

 

また、悲惨な事件や事故のニュースは症状を悪化させる引き金(トリガー)になるため、テレビやSNSから距離を置く(デジタルデトックス)ことも大切です。

 

② 周囲の方へ:無理に聞き出さず、安全基地となる

「話せば楽になるよ」と無理に出来事を語らせることは、傷口を広げる行為になります。突然人が変わったように怒り出したり、パニックになったりする姿に戸惑うかもしれませんが、それは本人の性格ではなく「トラウマに対する脳の正常な防衛反応の暴走」です。

腫れ物のように扱うのではなく、「大丈夫、あなたはもう安全だよ」「私がここにいるよ」と穏やかに伝え、寄り添い続けることが最大の支えとなります。

 

③ 利用可能な福祉サービス

長期間の治療が必要になることが多いため、医療費の自己負担を軽減する「自立支援医療(精神通院医療)」や「精神障害者保健福祉手帳」の取得をサポートします。